【監督列伝】ニルス・ニールセン なでしこジャパン初の外国人監督、2026年女子アジアカップで優勝
ニルス・ニールセン氏は1971年11月3日、グリーンランド・ヌーク生まれのデンマーク人。2024年12月から2026年3月まで、なでしこジャパンの監督を務め、20試合12勝4分4敗の成績を残した。初の外国人のなでしこ監督である。
2025年のシービリーブス杯で優勝、2026年3月21日の女子アジアカップ(決勝でオーストラリアに勝利)でも優勝した。契約満了は、2026年4月に発表され、後任には狩野倫久氏が就任した。
グリーンランドからデンマークへ、指導者の道
グリーンランドの小さな村で、教師の両親のもとに生まれ、5歳のときに母とともにデンマークへ移り住んだ。近所にあったサッカークラブのピッチをきっかけにサッカーを始め、育成年代までは高いレベルのリーグでプレーしたが、大きな怪我によって選手としての道を断たれ、早くから指導者を志した。20歳でデンマークサッカー協会から特例を受けてUEFA・Aライセンスを取得したと伝えられ、FCコペンハーゲン、オーデンセなどのデンマークのクラブの育成部門や、デンマーク協会の男子U-15、U-16代表などを指導した。2011年にはデンマーク男子のU-18代表の監督に就任した。
デンマーク、スイスの女子代表を指揮
- 2013〜17年:デンマーク女子代表の監督。2017年の欧州女子選手権(オランダ大会)では、準々決勝で優勝候補のドイツを2-1、準決勝でオーストリアをPK戦で破って決勝へ。決勝はオランダに2-4で敗れたが、同国の女子代表にとって主要大会での最高成績となった。同年のFIFA最優秀女子監督賞では、次点に選ばれた
- 2018年:中国U-20女子代表のコーチとしてU-20W杯に帯同
- 2018〜22年:スイス女子代表の監督。2022年の欧州選手権と、2023年W杯の出場権を獲得
- 2023年〜:マンチェスター・シティ女子のテクニカルディレクター(サッカーダイレクター)を約2年間務めた
なでしこジャパンの初の外国人監督として
2024年12月12日、池田太氏(池田氏の列伝)の後任としてなでしこジャパンの監督に就任し、日本女子代表として初めて外国人の指揮官となった。
- 2025年2月:米国遠征のシービリーブス杯で、就任17試合負けなしだったアメリカ女子代表を破り、同大会で初優勝
- 2026年3月:女子アジアカップ(オーストラリア)で優勝。決勝は約7万4000人の観衆が集まった開催国オーストラリアとの一戦で、就任後初の主要タイトルとなった(女子アジアカップまとめ)
- 2026年4月:日本サッカー協会が契約の満了を発表
優勝後の会見では「正しい道を進んでいる」と手応えを語る一方で、女子サッカーの普及のためには「質を上げて、より注目を高めなければならない」と課題にも触れた。多くの選手が海外クラブでプレーする今のなでしこジャパンにとって、欧州の女子サッカーを深く知るニールセン氏の経験は、貴重な財産だったといえる。
今後への引き継ぎ
短い任期ながら、アメリカを破ってのシービリーブス杯優勝と、アジアの頂点という結果を残した。後任の狩野倫久氏に、W杯、五輪へ向けた歩みが引き継がれる。