オランダ代表監督列伝(オランダ代表)

【監督列伝】サリナ・ウィーフマン オランダ女子を2017年EURO優勝に導き、イングランド女子でもEUROを制した名将

サリナ・ウィーフマン氏は1969年10月26日、ハーグ生まれ。現役時代は中盤・DFとして、オランダ女子代表で、1987年から2001年まで、公式に99試合に出場した。

オランダ女子代表では、2014年にアシスタント、2015年8月から10月に暫定監督を務め、2017年1月に正式に就任した。就任すぐの2017年の欧州選手権(自国開催)では、全勝で初優勝(2017年EUROの総括)、2019年のW杯では準優勝(2019年W杯の総括)、東京五輪はベスト8(東京五輪の総括)。2021年9月からはイングランド女子の監督となり、2022年、2025年の欧州選手権で優勝、2023年のW杯で準優勝、3大会連続(2017、2022、2025年)の欧州選手権優勝を達成した。FIFA年間最優秀女子監督にも、複数回選ばれている。

選手時代と教師としての顔

ウィーフマン氏はハーグの路上でボールを蹴り始め、中盤からDFへと位置を下げながらプレーした。1989年には米国のノースカロライナ大学チャペルヒル校に留学し、名門の女子サッカー部「タールヒールズ」でもプレー。帰国後は体育教師として働きながら、ター・レーデでプレーし、オランダ選手権とKNVBカップを1度ずつ制した。1987年、17歳で代表デビュー(アウェーのノルウェー戦)し、主将も務め、2001年6月までプレー。2001年4月には、オランダ人サッカー選手として初めて代表100試合に到達したが、その後、FIFA非加盟国との試合が公式記録から除かれ、公式の出場数は99となった。当時の代表は欧州選手権、W杯の本大会に出場したことがなく、ウィーフマン氏の時代には国際大会での結果は限られた。

指導者としての歩み

時期 チーム 主な実績
2003〜 ター・レーデ、ADOデン・ハーグ女子 ター・レーデで2006-07に国内2冠。ADOで2011-12にリーグ優勝、カップ2回
2014年〜 オランダ女子代表(アシスタント) U-19のコーディネーターも兼務
2015年 オランダ女子代表(暫定監督) 同年8月〜10月
2017〜21年 オランダ女子代表 EURO 2017優勝、W杯2019準優勝、アルガルヴェ・カップ2018優勝
2021年〜 イングランド女子代表 EURO 2022、EURO 2025優勝、W杯2023準優勝

2016年7月にKNVBのコースを修了してUEFAプロライセンスを取得。同年10月にはヨング・スパルタ・ロッテルダムのアシスタントも兼任し、オランダのプロクラブで指導する初の女性となった。

オランダ女子代表:2017年の初優勝

2017年1月に正式に監督に就任した時点では、直前の親善試合5試合で4敗と、チームの状態は決して良くなかった。ウィーフマン氏は選手の自信の回復と、より攻撃的なスタイルへの転換に取り組み、迎えた自国開催のEURO 2017では、グループでノルウェー、デンマーク、ベルギーに3連勝。準々決勝でスウェーデンに2-0、準決勝でイングランドに3-0、決勝でデンマークに4-2と、全勝で優勝した。マルテンス氏(選手列伝はこちら)、ミーデマ氏(選手列伝はこちら)らが躍動する攻撃的なサッカーは高い評価を受け、この優勝はオランダ女子サッカーにとって初の主要タイトルだった。男子のEURO 1988のミケルス氏(監督列伝はこちら)以来、代表チームを主要大会の優勝に導いた2人目のオランダ人監督となり、2017年10月にはFIFA年間最優秀女子監督に選ばれ、オラニエ=ナッサウ勲章の騎士章も授与された。

2019年のW杯ではフランス大会の決勝に進み、アメリカに0-2で敗れて準優勝(2019年W杯の総括)。同年には、オランダサッカー協会の「像の庭」に、女性として初めて像が加えられることも発表された。2020年の東京五輪(2021年開催)は準々決勝でアメリカにPK戦で敗れた(東京五輪の総括)。

イングランド女子代表:欧州3連覇

  • 2021年9月:就任。W杯予選ではラトビアに20-0の記録的大勝を含む全勝。2022年のアーノルド・クラーク・カップも制覇
  • 2022年7月:EURO 2022決勝でドイツに2-1。イングランドにとって男女を通じて1966年以来の主要タイトル。異なる2か国で優勝した初の監督になった(同大会のオランダ女子の総括)
  • 2023年:女子フィナリッシマでブラジルにPK戦で勝利。W杯決勝でスペインに0-1で敗れ準優勝(同大会のオランダ女子の総括)
  • 2025年7月:EURO 2025決勝でスペインにPK戦の末に勝利し、3連覇を達成(同大会のオランダ女子の総括)

2022年12月には、大英帝国勲章(CBE)を名誉授与され、2025年12月には名誉デイム(DBE)も授与された。FIFA年間最優秀女子監督には、2017、2020、2022、2023、2025年の5回選ばれ、最多記録となっている。

評価

3大会連続の欧州選手権優勝、そして5大会連続の主要国際大会決勝進出は、男女を通じて初の快挙とされる。選手の個性と組織のバランスを見極める手腕と、緻密な準備で知られる名将である。

出典: Wikipedia(英語版)ほか

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